縄文GoGo

5000年前の中部高地の物語

旅編第1話~旅編第10

縄文GoGo旅編 第10話 3日目③

三本の樹の近く。続き。 シロイブキ 「ふむ。おおむね、おれ達が相談して出した結論と同じだ。 コノカミは只者じゃないなあ。 まあそれで、イエの者の案内で、 おれはハグレの中に3人いた若い女を調べようと動いた。 その一人目だ。」 シロクンヌ 「見つか…

縄文GoGo旅編 第9話 3日目② 

三本の樹の近く。 シロクンヌ 「村で何かあったのか?」 シロイブキ 「ではまずそっちから言うか。 ウルシ村もアユ村も、村人は無事だそうだ。怪我人も出ておらん。 ただ、建物には被害が出たようだ。 それからシロのイエの者も、全員無事だ。 ほっといて治…

縄文GoGo旅編 第8話 3日目①

早朝の下の温泉。 シロクンヌ 「お、先客がおるな。」 タカジョウ 「やっぱり湯煙もうもうで、雰囲気が出ておるぞ。」 タエ(43歳・女) 「こっちこっちー。」 トミ(40歳・女) 「シロクンヌー、一緒に入ろうよー。」 チヅ(36歳・女) 「タカジョー、こっ…

縄文GoGo旅編 第7話 2日目④

寝所のムロヤ。 シロクンヌ達4人と、セリがいる。 サチ 「父さん見て!」 眼木のフレームが緑色にキラキラ輝いている。 シロクンヌ 「お!綺麗だな!どうやったんだ?」 ミツ 「私もあるよ!」 タカジョウ 「分かったぞ。タマムシだろう? タマムシの翅(は…

縄文GoGo旅編 第6話 2日目③

下の温泉。 セリ(11歳・女) 「潜りっこしよう。一番長く潜っていた人が勝ちね。 いくよ。せーのっ!」 セリ、サチ、ミツの3人が、一斉に温泉に潜った。 タカジョウ 「ハハハ、絶対、サチが一番だぞ。」 シロクンヌ 「子供はすぐに仲良くなる(笑)。 それ…

縄文GoGo旅編 第5話 2日目②

リンドウ村の入口。 タカジョウ 「あそこには3人住んでいたらしいが、どうだった?」 シロクンヌ 「駄目だ。3人共殺されて、この先の濁流の川に流されたようだ。 酷い話だぞ。 昨日の夕方、6人であのムロヤの前を通りがかったらしい。 そしたらちょうどム…

縄文GoGo旅編 第4話 2日目①

翌朝。野営地。 タカジョウ 「渓流を見に行ったが、渓流どころか荒れ狂う濁流だ。」 シロクンヌ 「山の様子も、昨日とは全然違う。相当な台風だったな。 小屋が無事で良かったよ。 この3本の樹のお陰だ。 お神酒を捧げたいが、持ち合わせが無いからなあ。」…

縄文GoGo旅編 第3話 1日目⑤

夜中の避難小屋の中。続き。 シロクンヌ 「少し長い話になるぞ。 あれはおれがまだ20歳の時だ。 タビンドとしても、まだ駆け出しだな。 カワセミ村を訪れたのは、その時が二度目で、村の衆ともそこそこ打ち解けていた。 カワセミ村を最初に訪れた時に、ひ…

縄文GoGo旅編 第2話 1日目④

野営地。続き。 シロクンヌ 「きーのーみーたーまーにーもーうーしー・・・」 タカジョウ 「まだ雲は出ておらん星空だが、風が出て来たな。」 シロクンヌ 「なま温かい風だ。シップウの様子は?」 タカジョウ 「落ち着かん感じだ。間違いなく台風だと思うぞ…

縄文GoGo旅編 第1話 1日目③

スワの湖上。 シロクンヌ 「スイスイ進むなぁ。」 ナジオ 「大人5人で漕ぐよりも速いよ。 シロクンヌは分かるが、タカジョウがこんなに巧く漕ぐとはな!」 サチ 「私、こんなに速い舟に乗ったの、初めて。」 ミツ 「私も! サチ、私達、漕がない方が速いん…