縄文GoGo

5000年前の中部高地の物語

旅編第21話~第30話

縄文GoGo旅編 第30話 7日目③

アオキ村の入口。 湧き水のメシ食い場から森を抜けると、アオキ村が見えた。 アオキ村は小高い丘の上にあり、丘の西側に川が流れている。 北の湖から流れ出し、南の湖に注ぐ川だ。 この川が、南の湖の水源であった。 川の水は澄んでいて、そのまま飲むことが…

縄文GoGo旅編 第29話 7日目②

南の湖の湖上。 シロクンヌ一行とマサキが筏(いかだ)に乗って移動中だ。 シップウは筏の上で大きな鯉を食べている。 マサキが仕掛けておいた筌(うけ)に入っていたのだ。 シロクンヌ 「それでイワジイはアオキ村でおれ達を待っているんだな?」 マサキ 「そう…

縄文GoGo旅編 第28話 7日目①

早朝のアヅミ野。 野営所では火が焚かれ、木の皮鍋が掛けられている。 辺りは、まだ薄暗い。 タカジョウ 「昨夜から冷え込んでいるが、やっぱり山は雪をかぶっておるな。」 サチ 「綺麗!この辺りはまだ日が差してないのに、山だけが朝日を浴びて真っ赤だ!…

縄文GoGo旅編 第27話 6日目③

ウルシ村。広場。 旗塔の立ち上げを無事に終え、まだ陽は高いが、祝いとねぎらいの宴が始まった。 広場中央の焚き火の周りでは、様々な肉が焼かれている。 イノシシの熾火焼き、鴨の丸焼き、ムササビの姿焼き・・・ などなど、焼き上がった物から各自が自由…

縄文GoGo旅編 第26話 6日目②

台風で折れる前の旗塔。その他カテゴリーの『ウルシ村 絵コンテ』参照 旗塔の建て方は、地面に横倒しで組んだ物を、手前の『送り杉』を利用して立ち上げる。 横倒しの旗塔上部に縄を何本も結び、そのいくつかを送り杉の上部の枝に掛ける。 枝を経由した縄は…

縄文GoGo旅編 第25話 6日目①

早朝の湧き水平。 オジヌ 「姉ちゃん遅いよ。遅れちゃうぞ。」 エミヌ 「ごめん。お待たせ。さあ行こう!」 カタグラ 「ゴン。しっかり番をしておれよ。」 ナクモ 「パヤパヤには、多めにエサをあげて来た。村に帰るの、久しぶり。」 ナジオ 「夜宴の日以来…

縄文GoGo旅編 第24話 5日目⑤

アヅミ野。岩の崖の上。 ホコラ 「野山で恐ろしい生き物と言って思い浮かべるのは・・・ オオカミの群れも恐ろしい。 熊も恐ろしい。 そうそう、シシ神も恐ろしいな。 しかし他にもおるんだぞ。分かるか?」 ミツ 「マムシ?」 サチ 「蜂も怖いよ。」 ホコラ…

縄文GoGo旅編 第23話 5日目④

アヅミ野。移動中。 もうすぐ陽が沈む。空は晴れ、東の山の上に十日の月が見えている。 シロクンヌ 「プンプン匂って来たぞ。」 ホコラ 「もう近い。 向こうに岩の崖が見えるだろう? あの上がそうだ。」 タカジョウ 「シップウはあの樹で夜を越させる事にし…

縄文GoGo旅編 第22話 5日目③

シオユ村(シシガミ村)。見張り小屋。 シュリ 「どうしたの? セジが呼びに来て、見張り小屋に行くように言われたんだけど。 ゾキは?」 レンザ 「いないよ。レンがゾキに敵意むき出しなんだ。 どれだけ言い聞かせてもダメなんだよ。 だからゾキには悪いけど…

縄文GoGo旅編 第21話 5日目②

渓流沿いのシシ神の焚き上げ場。 セジ(20歳・男) 「やっぱ台風のせいか、そんなにいないよ。 けっこう探したんだけど、2匹だけだった。」 ゾキ 「見せて。これでいいよ。」 セジ 「でも、蛭(ヒル)なんてどうするんだ?」 ゾキ 「詮索する男は嫌いだよ…