第31話~第40話
大ムロヤ。歓迎の宴。 「目出たい目出たい♪目出たい目出たい♪」 クマジイとハギが目出たい踊りを踊っている。 ハニサ 「ねえテイトンポ、15歳のシロクンヌって、どんなだったの?」 テイトンポ 「泣きベソでな、泣くと必ず、ハナをたらしておったな。」 ハ…
大ムロヤ。歓迎の宴。続き。 ヤシム 「ところでテイトンポ、来た時いきなり『子供は救ったのか?』って言ったでしょう? 子供ってウチのタホのことよね。あれはどういう事だったの?」 テイトンポ 「<見立て>を見たからだ。 <見立て>の大きさから、流された…
ハニサのムロヤ。 シロクンヌはムシロにあぐらをかいて、髪飾りを削っている。 その背中に、ハニサが寄りかかっている。 ハニサ 「テイトンポの訓練って、厳しかったの?」 シロクンヌ 「厳しかったぞ。今、生きているのが不思議なくらいだ(笑)。 だけど不思…
朝の広場。 ヤッホ 「アニキー、遅いよー、みんな待ってるんだ。」 シロクンヌ 「すまんすまん。寝坊した!」 ハギ 「ハニサ、なにやってんだよ!」 ハニサ 「ごめんなさい!寝坊しちゃった!」 ムマヂカリ 「ま、そうゆうことも、あるな。」 ニヤニヤしてい…
森の入口の作業場。続き。 テイトンポ 「ではアコよ、その樹の根元を、一心不乱に掘れるか? 出来るなら、やってみよ。道具は、使ってもよいぞ。」 アコは、鹿の角を使って、一心不乱に掘っている。 テイトンポ 「幼虫が出てきたな。そいつは取り分けろ。そ…
森の入口の作業場。お昼前。 向こうの方から、ハニサとクズハが一緒にやって来る。 その後方に、アコやムマヂカリ、ササヒコ、みんなの顔が見える。 ハニサ 「シロクンヌー。来たよー。」 シロクンヌ 「ハニサ!」 ハニサは貫頭衣の作業衣のままだ。 手には…
森の入口の作業場。昼食。 臼の材料である丸太を立て、切り口に焼き石をのせ、そこを焦がしてはコゲを削り取り、 また焦がしては・・・ そうやって窪ませて、臼を作る。 今はその途中なのだが、二つの丸太は適度に離れて置かれ、 窪みには焼き石がのせられ、…
森の入口の作業場。続き。 ハニサ 「あたし、焚火のこの辺の場所、使ってもいい?」 シロクンヌ 「いいよ。そこなら邪魔にもならないから。器やるのか?」 ハニサ 「そう。灰でまず乾かして、それからちょっと焼く。」 シロクンヌ 「出来上がりが楽しみだな…
夕食後。大ムロヤ ササヒコ 「疲れているところを、集まってもらってすまない。 祭りが近付いた。 手の空いている時は、祈りの丘の草むしりをよろしく頼む。 今日、シロクンヌの作業場で、臼二つと杵四つができた。 臼は、どんぐり小屋と作業小屋に一つずつ…
早朝の広場。 シロクンヌとハニサは、並んで朝食をとっている。 シロクンヌ 「今日もいい天気だな。コタチ山が、ハッキリ見える。」 ハニサ 「今日はずっとシロクンヌと一緒にいられるね! なんだかうれしい! お弁当持って行こうね。」 シロクンヌ 「あれ作…