縄文GoGo

5000年前の中部高地の物語

第41話~第50話

木曲げ工房用地選定         第41話 7日目②

川の飛び石のそば。 テイトンポ 「アコならどこに作業場を作る?」 アコ 「シロクンヌが言ってた4本の樹って、これと、これと、これと、これじゃないかな・・・」 テイトンポ 「おそらく、そんなところだろうな。」 アコ 「でもこの川は、結構な暴れ川なん…

湖に沈んだ村の言い伝え       第42話 7日目③

森の入口のシロクンヌの作業場。 シロクンヌ 「どうだ? 上手い具合に焼き上がったか?」 ハニサ 「見て。あたしと、シロクンヌだよ。」 神像筒型土器 長野県富士見町 藤内遺跡出土 井戸尻考古館 シロクンヌ 「うん、これ見てると、背中がむずむずしてくるな…

出発前夜              第43話 7日目④

ハニサのムロヤ ハニサ 「シロクンヌ、お湯が沸いた。 あたしたちの器で、初めて沸かしたお湯だよ。 体を拭いてあげるね。」 シロクンヌ 「なんだかいつもより、さっぱりする気がするぞ。 さっきアコは、チビ共に大人気だったな(笑)。」 (アコは頭上に蚊…

出発!スワの湖へ          第44話 8日目①

早朝の広場 ムマヂカリ 「干し肉だ。念のために持って行けよ。」 シロクンヌ 「すまんな。貰って行くよ。」 ササヒコ 「ヌリホツマからだ。革袋の中は漆櫛だ。五つある。 どこかの村で世話になったら、渡してくれ。 軽いし、荷物にもならんだろう?」 シロク…

中継地点・見晴らし岩        第45話 8日目②

下の川沿いの、荒れた道。道幅は一人分だ。 ハニサはシロクンヌにおぶわれている。 特製の革製おんぶ帯を使っているから、ハニサは疲れないし、二人とも両手が空いている。 シロクンヌの大きな背負い袋は、腹側に掛けてある。 シロクンヌ 「痛くはないか?」…

ハタレの襲撃            第46話 8日目③

スワに向かう道。少しだけ、拓(ひら)けてきた。 ハニサ 「少し、拓けてきたね。もう近いのかな? ここならあたし、歩けるよ。」 シロクンヌ 「そうだな、じゃあここからは歩くか。」 ハニサ 「遠くに、旗が見えるね。 あ! あの丘に、ムロヤが一つあるよ。」…

アユ村へ              第47話 8日目④

さっき見えていた旗が近付いて来た。 この丘の上に、村があるようだ。 ハニサ 「あそこ、村があるんでしょう? あたしね、他の村に行ったことが無いの。」 シロクンヌ 「行ってみたいのか?」 ハニサ 「そう思ってたんだけど、さっきみたいな人がいたら嫌だな…

少女・サチ             第48話 8日目⑤

アユ村の出口。続き。 アシヒコ 「その子は?」 マグラ(27歳・男) 「まったく気の毒な子だ。 父親は殺され、母親と二人でさらわれたそうだ。 何日もムロヤに閉じ込められて、慰(なぐさ)み者になった挙句に、 母親は、三日前に病で亡くなったと言っておる。」 …

シロクンヌの涙           第49話 8日目⑥

谷の温泉。続き。 シロクンヌ 「サチ、おれもおまえも裸だ。抱きしめるぞ。 (サチを抱え上げ抱きしめた。サチも抱きついた。) どうだ?おれのここを見てみろ。 あいつらのようにはなっていないだろう?」 サチ 「はい。父さん、温かかった。」 シロクンヌ 「…

歓迎の夜宴             第50話 8日目⑦

アユ村の見晴らし広場。 シロクンヌを挟んで、ハニサとサチが座っている。 夕焼けで空は真っ赤だ。湖面も赤く染まっている。 ハニサ 「きれい・・・」 サチ 「私、夢の中にいるみたい。」 シロクンヌは二人の肩に手をまわした。 そうやって、太陽が山裾に沈む…