第71話~第80話
夕食の広場。 ハニサ 「臭い! シロクンヌ、なんでこんなに臭いの?」 ヤッホ 「ハニサ、アニキを責めるなよ。 アニキは、見事な演技でオオカミの腰を抜かしたんだぞ。」 ハギ 「あれは人間業ではなかったな。 多くの物を学んだよ。」 ムマヂカリ 「あんな関…
朝の広場 ヤッホ 「ハニサ、ちょっと臭うぞ。もっとあっちにいってくれ。」 ハニサ 「イーだ!」 ムマヂカリ 「シロクンヌ、体を休めろと、あれほど言っておいたのに、 祈りの丘の草を全部抜いたらしいな(笑)。」 シロクンヌ 「成り行きで、気合いが入ってし…
岩の温泉。 シロクンヌは、魚の串を鉢巻きに挿している。 以前、テイトンポがやったやり方だ。 シロクンヌ 「なるほど、岩だらけだ。これは岩の温泉と呼ぶしかないなあ(笑)。」 ハニサ 「ごめん。シロクンヌ、あたしまた寝てた。」 シロクンヌ 「いいさ。…
下の川の上流 シロクンヌ 「地図で見ると、川のこの辺りみたいだ。 焚き火の匂いがするから、もう近いな。」 ハニサ 「向こうから走って来るの、サチじゃない?」 シロクンヌ 「サチだ。なんとか間に合ったみたいだな。」 サチ 「お帰りなさい。お姉ちゃんが…
『古墳とは天皇や豪族の墓で、当時は大きな盛り土を墓にするのが流行していて、権力の象徴でもあった。そのため権力者達は、生前から多くの民衆を使役し、高圧的に重労働を強いていた。』 と、このように学校で習った人が多いのではないでしょうか? ところ…
夕食の広場。 ササヒコ 「みんな、聞いてくれ。 祭りは、いよいよあさってに迫った。 明日の夕食は、シカ村の方々とも、御一緒する。 そこからは、わし達も、お祭り気分になるだろう。 明日の夕刻までが、祭りの準備の仕上げだと思ってくれ。 今夜の酒は、禁…
作業小屋のそばの焚火。 ササヒコ 「どうしたもんだろうかな・・・」 シロクンヌ 「ハニサ、明り壺は、何個あったんだ?」 ハニサ 「100個。今から作っても、間に合わない。粘土も足りない。」 ヤシム 「ヤッホ、私たちはとりあえず、あそこを片付けよう…
朝の広場。祭りの前日。 ササヒコ 「紹介する。わしの下の下の弟の息子達だ。 オジヌが16歳。 カイヌが14歳。 シロクンヌ、今日一日、助手に使ってくれ。」 エミヌ 「叔父さーん。タマが、私も行っていいって。 シロクンヌ、お話しするの初めてよね。私…
飛び石のそばの川。 アコ 「あ! 先客がいた!」 シロクンヌ 「なんだ、アコも行水か?」 アコ 「汗かいたからね。入っていいかい?」 シロクンヌ 「ああ、気持ちいいぞ。 おれは粘土を掘ってきてな。 結構、難儀だったよ。」 アコ 「肩を揉んでやろうか?」…
曲げ木工房。 モリヒコ(男。シカ村のカミ) 「テイトンポー。テイトンポだろー。何をしておるのだー?」 テイトンポ 「おお! カミか。」 モリヒコ 「狼ではないぞ。」 テイトンポ 「相変わらず詰まらんシャレを言いおるな。」 モリヒコ 「ちっとも帰ってきや…
大ムロヤ。 モリヒコ 「サチと言うのか。眼木(めぎ)を外すと、こんなにかわいらしい娘なのか。 眼木を掛けると、妖しい炎の精霊だ。 ササヒコ。この眼木、どこで手に入る?」 ササヒコ 「下で見たであろう。テイトンポの工房で、作っておる。」 モリヒコ …