第101話~第110話
祈りの丘。続き。 テイトンポ 「どうする? まだ聞きたいか?」 クマジイ 「当然じゃ!」 ヤッホ 「まだ食い足りないから、供宴の場に行かないか?」 ハギ 「そうしよう。ここまで聞いて、これで終わりってのは無いな。」 ヌリホツマ 「ハタレの事も、聞きた…
供宴の場。続き。 アコ 「さっき、旅に出るって言ってたでしょう?行き先は?」 タカジョウ 「特に決めてはいない。 が、シップウと共にだから、行かれぬ所も多い。 シップウを見ると、カモやガン(雁)がいなくなる。 すると猟師に迷惑が掛るからな。」 ハニ…
供宴の場。続き。 ササヒコ 「こんな隅っこにおったのか。探しておったのだぞ。今年の祭りは大成功だ。 クマジイ、ハニサ、シロクンヌ、テイトンポ、褒美は何がいい? タカジョウも一緒か。たくさん差し入れしてくれて、有難うな。」 タマ 「コノカミ、随分…
ハニサのムロヤ。 ハニサ 「カタグラの踊り、本当に面白かったね。」 シロクンヌ 「大笑いしたな。なんであいつは、あんなに上手に尻が出せるんだろうな?」 ハニサ 「手を使ってないよね?」 シロクンヌ 「使ってないと思うぞ。すました顔で踊ってて、いつ…
祭りの翌日。朝の広場。 シロクンヌ 「今日は祭りの後片付けがあるんだよな?」 ハニサ 「そう。でも起き出して来るのは、みんな遅いよ。 もう一泊するお客さんも多いし。」 サチ 「おはよう。昨日は楽しかったね。 お姉ちゃんと父さん、お揃いの首飾りだ。…
朝の広場。続き。 シロクンヌ 「テイトンポ、出発するのか?」 テイトンポ 「ああ、シカ村の衆はもう一泊するようだが、アコと二人で出立する。」 ハニサ 「母さんは?」 アコ 「まだ、死んだように眠ってた。」 ハニサ 「・・・・・」 シオラム 「テイトン…
供宴の場。続き。 囲炉裏のそばのシロクンヌの机の周りでは、ウルシ村の女衆がにぎやかに立ち働いている。 スサラ 「今年も天気が良くて良かったわね。」 タマ 「スサラは今日一日上機嫌だったね。 いいことあったのかい?」 スサラ 「ウフフ。」 ホコラ 「…
ハニサのムロヤ。 シロクンヌは、毛皮の上に寝転んでいる。 ハニサは、寄り添うように座っている。 ハニサ 「シロクンヌがウルシ村に来て、15日になるんだよ。 あたし、この15日間で、自分がすごく変わったのが分かる。」 シロクンヌ 「どんな所が変わっ…
朝の広場。 ヤッホ 「アニキは暗い内からやってたのかい?」 ハギ 「おれ達が供宴の場に行った時には、長い一本皿が2本、残ってるだけだったからな。」 ムマヂカリ 「おれは薄々、こうなんじゃないかと思っていたよ。 昨日のシロクンヌの様子を見ていたら。…
飛び石。 シロクンヌ 「二人共、よく似合ってる。男っぷりを上げたぞ。」 カタグラ 「よせよ。照れるではないか。 これが自分の物だなんて、まったく夢のようだ。」 マグラ 「村で見せたら、みんながうらやましがるぞ。良い物を頂いた。」 サチ 「凄い弓だね…