縄文GoGo

5000年前の中部高地の物語

第121話~第130話

第126話 18日目⑤

ハニサのムロヤ。 シロクンヌは毛皮の上に寝転がっている。 ハニサが寄り添うように座っている。 ハニサ 「あー、なんか、やっと二人きりになれた!って感じだね。」 シロクンヌ 「そうだな。昨日、ハニサは、神域ですぐに寝てしまったからな。」 ハニサ 「…

第127話 19日目①

朝の広場。 ハニサ 「いい天気になって良かった! サチ、風邪引かなかった?」 サチ 「おはよう。全然平気だよ。」 シロクンヌ 「サチ、ハニサが宿したお祝いに、今日は岩の温泉に行くぞ。 サチも一緒だ。」 サチ 「3人で? 私も行っていいの?」 シロクン…

第128話 19日目②

岩の温泉。 シロクンヌ 「サチ、奥はヤケドするくらい熱いぞ。気をつけろ。 ハニサ、頭から掛けるぞ。」 ハニサ 「温かくて気持ちいい!」 サチ 「父さん、ここ、とっても深いよ。潜っていい?」 シロクンヌ 「ああ、いいぞ。トガッタ岩があるかも知れんから…

第129話 19日目③

曲げ木工房。 アコ 「また大きな蚊遣りキノコだね! サチが採ったの?」 サチ 「私が見つけたの。」 アコ 「サチの半分くらいあるよ(笑)。」 ハニサ 「アコ、お帰り。日焼けしたね。」 アコ 「ハニサも日焼けしてるよ。 光の子を宿したんだって? おめでとう…

第130話 19日目④

夕食の広場。 ナジオ 「待ちに待った熊肉だ。 油煮という物を食べてみたかったんだ。」 ハギ 「おれは肉の中では熊肉が一番好きだな。」 ヤッホ 「アコが帰って来て良かったよ。 おれはアコのタレで食う熊が好きなんだ。」 カタグラ 「ぷるぷる煮をこんなに…

第121話 17日目⑦

大ムロヤ。魂写しの儀。続き。 ハニサ 「でもあたし、何が怖かったかというと、 連れ去られる時に、そいつは母さんの事ばかり言っていたの。 おまえの目の前で、クズハをヒーヒー言わせてやるとか、 クズハにぶっ刺してやるとか・・・ あたし、母さんがいじ…

第122話 18日目①

作業小屋。 ハニサ 「おはよー! やっぱりオジヌがいたー!」 オジヌ 「おはよう。どうしたのハニサ? 妙に元気がいいね。シロクンヌは?」 ハニサ 「もう少し後から来る。 あたしねえ、思い出した!」 オジヌ 「えー! こないだ言ってた事?」 ハニサ 「そ…

第123話 18日目②

夕食の広場。 ハニサ 「兄さん、よかったね! 兄さんのトツギに準備してた家財道具、全部あたしのムロヤで使っちゃったから。」 ヤッホ 「ひでーなハニサ。」 サラ 「私が押し掛けたからトツギが早まったし、仕方ないよ。 でもびっくりだよ! 一遍でムロヤが…

第124話 18日目③

大ムロヤ。 カタグラ 「ところで女神が光らなくなったと聞いたが。」 シロクンヌ 「ああ、今日は一度も光っていない。 明日からは分からんが、宿したからではないかな。」 カタグラ 「子に力を蓄えておるのかも知れん。 産まれて来るのが楽しみだな。」 シロ…

第125話 18日目④

大ムロヤ。続き。 カタグラ 「スワのリンドウ村だ。 そこの母娘がさらわれたのだ。 美しい女だったらしい。 娘は10歳だったはずだ。 おれも狩りの合間に奴らの張り屋(テント)を探したんだ。 こっちに来ておったのか。 母娘共に、結局見つかっておらん。」 …