第121話~第130話
ハニサのムロヤ。 シロクンヌは毛皮の上に寝転がっている。 ハニサが寄り添うように座っている。 ハニサ 「あー、なんか、やっと二人きりになれた!って感じだね。」 シロクンヌ 「そうだな。昨日、ハニサは、神域ですぐに寝てしまったからな。」 ハニサ 「…
朝の広場。 ハニサ 「いい天気になって良かった! サチ、風邪引かなかった?」 サチ 「おはよう。全然平気だよ。」 シロクンヌ 「サチ、ハニサが宿したお祝いに、今日は岩の温泉に行くぞ。 サチも一緒だ。」 サチ 「3人で? 私も行っていいの?」 シロクン…
岩の温泉。 シロクンヌ 「サチ、奥はヤケドするくらい熱いぞ。気をつけろ。 ハニサ、頭から掛けるぞ。」 ハニサ 「温かくて気持ちいい!」 サチ 「父さん、ここ、とっても深いよ。潜っていい?」 シロクンヌ 「ああ、いいぞ。トガッタ岩があるかも知れんから…
曲げ木工房。 アコ 「また大きな蚊遣りキノコだね! サチが採ったの?」 サチ 「私が見つけたの。」 アコ 「サチの半分くらいあるよ(笑)。」 ハニサ 「アコ、お帰り。日焼けしたね。」 アコ 「ハニサも日焼けしてるよ。 光の子を宿したんだって? おめでとう…
夕食の広場。 ナジオ 「待ちに待った熊肉だ。 油煮という物を食べてみたかったんだ。」 ハギ 「おれは肉の中では熊肉が一番好きだな。」 ヤッホ 「アコが帰って来て良かったよ。 おれはアコのタレで食う熊が好きなんだ。」 カタグラ 「ぷるぷる煮をこんなに…
大ムロヤ。魂写しの儀。続き。 ハニサ 「でもあたし、何が怖かったかというと、 連れ去られる時に、そいつは母さんの事ばかり言っていたの。 おまえの目の前で、クズハをヒーヒー言わせてやるとか、 クズハにぶっ刺してやるとか・・・ あたし、母さんがいじ…
作業小屋。 ハニサ 「おはよー! やっぱりオジヌがいたー!」 オジヌ 「おはよう。どうしたのハニサ? 妙に元気がいいね。シロクンヌは?」 ハニサ 「もう少し後から来る。 あたしねえ、思い出した!」 オジヌ 「えー! こないだ言ってた事?」 ハニサ 「そ…
夕食の広場。 ハニサ 「兄さん、よかったね! 兄さんのトツギに準備してた家財道具、全部あたしのムロヤで使っちゃったから。」 ヤッホ 「ひでーなハニサ。」 サラ 「私が押し掛けたからトツギが早まったし、仕方ないよ。 でもびっくりだよ! 一遍でムロヤが…
大ムロヤ。 カタグラ 「ところで女神が光らなくなったと聞いたが。」 シロクンヌ 「ああ、今日は一度も光っていない。 明日からは分からんが、宿したからではないかな。」 カタグラ 「子に力を蓄えておるのかも知れん。 産まれて来るのが楽しみだな。」 シロ…
大ムロヤ。続き。 カタグラ 「スワのリンドウ村だ。 そこの母娘がさらわれたのだ。 美しい女だったらしい。 娘は10歳だったはずだ。 おれも狩りの合間に奴らの張り屋(テント)を探したんだ。 こっちに来ておったのか。 母娘共に、結局見つかっておらん。」 …