第151話~第160話
ハニサのムロヤ。 イナ 「わー! 素敵ねー! ロウソクが灯(とも)るとこうなるのね! これは、ハニサが考えたの?」 ハニサ 「うん。木はクマジイに磨いてもらったの。」 イナ 「こんなムロヤって、他には絶対に無いわよ。 二人に質問なんだけど、あたしって…
夕食の広場。 テイトンポ 「オジヌ、でかしたぞ! あれだけたくさんもらって来るとは大した男だ。 シロクンヌなどは、わずかしかもらって来なかったからな。」 オジヌ 「アユ村の人達が、気を利かせてたくさん作っておいてくれたんだ。」 イナ 「これ美味し…
曲げ木工房。 イナ 「ここは凄いわねー、いろんな事をやっているのね! この池はスッポン専用なの?」 テイトンポ 「そうだ。今10匹いるぞ。 順調に増えたら、鍋にして食わせてやるからな。」 イナ 「わー! 楽しみね! 階段を降りた、あっちが木曲げね。 …
4日後。朝の広場。 ハニサ 「あさって、夜宴ができるんだね!」 クマジイ 「ウルシ林の手入れが順調に進んだからの。」 ハギ 「あと、洞窟の存在が大きいよ。」 シロクンヌ 「おれもあれっ切り洞窟に行っていないからな。 シップウの狩りも初めて拝めるかも…
ハニサのムロヤ。 ハニサ、シロクンヌの他に、タカジョウとサチの顔が見える。 タカジョウ 「するとアヤの村は、スワの子宝の湯の付近にできるのだな。」 サチ 「そう。イエの者は、全員こっちに来たがると思う。 スワの湖を見てみたいはずだから。」 ハニサ…
朝の広場。 ムマヂカリ 「おはよう。サチはハニサのムロヤで寝たのか?」 サチ 「うん。父さんとお姉ちゃんの間で寝た。」 ムマヂカリ 「うれしそうだな(笑)。いいか? 朴葉にサナギを一握りのせるだろう。」 サチ 「ハチの子?」 ムマヂカリ 「そうだ。幼虫…
夕食の広場。 マグラ 「カタグラから話を聞いて、居ても立っても居られなくなってしまってな。 押しかけて来たぞ(笑)。 シロクンヌ、アマカミとミヤコの件、詳しく教えてくれ。」 シロクンヌ 「丁度良かった。一度マグラと話をしたいと思っていたのだ。」 タ…
朝の広場。 ヤシム 「今日は運命の師弟対決だね。どっちが勝つと思う?」 ハニサ 「あたしはシロクンヌ。」 ムマヂカリ 「まあ、ハニサはそうだろうな。 おれはテイトンポだ。なんせグリッコが懸かったからな。」 ハギ 「おれもテイトンポ。理由は同じ(笑)。…
飛び石のそばの河原。洗濯場の近く。 夕刻前。7か所で火が焚かれている。 鍋用の焚き火だから、それほど大きな炎ではない。 短い一本皿が二本置かれ、そこに食材がのっている。 村人全員で、木の皮鍋大会をやるのだ。 ササヒコ 「川の水音を聞きながらの夕…
朝食の広場。 シロクンヌ 「サチ、今日から小屋作りだが、サチならどんな手順で進める?」 サチ 「まず、工房の高さを計る。竹を持って行って、竹に印をつけるの。」 ハニサ 「そうか! そういうところから始めるんだね。 あたし、いきなり柱の穴を掘るのか…