第191話~第200話
奥の洞窟。泉のそば。 オジヌ 「ここか・・・ホントだ、深そうだね。」 ミツ 「冷たい!」 コヨウ 「冷たいね!ここに沈んでちゃあ、取りには行けないよ。」 オジヌ 「どう?サチ、見える?」 サチ 「見える。底まで全部見えるよ。 あのね」 コヨウ 「何かあ…
湧き水平。昼食。 マユ 「そんな事があったのね。遅かったから心配していたの。ミツ、大丈夫だった?」 ミツ 「うん、怖かったけど、イワジイが来てくれて、シップウも来てくれたから。」 カタグラ 「オロチとか言う奴、末恐ろしいガキだな。」 フクホ 「怪…
森の中。 シロクンヌ 「ミツ!大丈夫か?」 ミツ 「お爺さんが、怪我しちゃった!私を助けようとしてくれたの。」 イワジイ 「なんの、たいした怪我ではない。 それにしても、恐ろしく狂暴な小僧じゃったの。」 シロクンヌ 「旅のお方か?腕をやられたのだな…
下の川沿いの道。 イナ(ヌリホツマを背負っている) 「今日は、向こう岸を歩いてみましょうか?」 サラ 「向こうは、草が生い茂ってるよ。その向こうの、山みたいな所を歩くの?」 イナ 「そうよ。普段は行かないでしょう?何か珍しい薬草が生えてるかも知れ…
朝の広場。 ヌリホツマ 「イナよ、悪いのう。また世話になるがよいか?」 イナ 「いいわよ。途中で薬草を見つけたら、言ってくれれば採ってあげるわよ。」 サチ 「私が採りに行ってあげるよ。」 サラ 「行ける場所なら、私も行くよ。」 イナ 「じゃあ今日は…
大ムロヤ。 タカジョウ 「これがハニサが作った身代わり人形か。やはり、ひときわ、出来が違うな。 口から尻までの通し穴があるんだな?」 ハニサ 「そう。葦(あし)の茎に包んで人形を作ったの。 通し穴人形は、一層身代わりの力を発揮するって言うからね。 …
5日後。夕食の広場。 タカジョウ 「曲げ木工房の周りが様変わりしていて驚いたぞ。 シロクンヌとサチで作ったのか?」 シロクンヌ 「蒸し室は、テイトンポとオジヌだな。」 ハニサ 「蒸し室と増築部分をつないだのは、サチとミツの発案だよ。」 シロクンヌ …
大ムロヤ。 ササヒコ 「何だシオラム、あれほど吹いておったくせに、こてんこてんではないか。」 アコ 「いいとこ無しだね。」 シオラム 「やっていて、心が折れた。 アコ、そんな事言うならやってみろよ。」 アコ 「よし!」 オジヌ 「アコも大差負けか・・…
翌日。昼の入口の洞窟。 シロクンヌ 「ナクモー、居るかー。」 ナクモ 「シロクンヌ、遅かったね。何かあったの? 心配してたんだよ。あれ?」 ミツ 「こんにちは!」 シロクンヌ 「タガオ、今降ろすからな。洞窟だ。」 ナクモ 「え? もうアユ村に行ったの…