第221話~第230話
湧き水平。 シロイブキ 「見事な杖だな。矢筒も立派だ。 こうして見ると、サッチはまさしくクンヌだな。堂々たるミヤコ入りだ。」 ナクモ 「キリっとしててカッコいいね!サチの矢は、祖先の矢じりなの?」 サチ 「そう。旅の御守りなの。」 カタグラ 「ミツ…
早朝の広場。 ヤッホ 「何だいアニキ、荷物はこの大袋だけかい?」 シロクンヌ 「そうだ。この背負い袋に全部入ってる。 サチにもミツにも、荷物を背負ってもらうから、おれはこれだけだよ。」 イナ 「杖(つえ)くらい持って行きなさいよ。シロのイエのクンヌ…
ハニサのムロヤ。 ハニサ 「・・・アヅミ野という所までは三日なのね。 そこから翡翠海岸までってどのくらいなの?」 シロクンヌ 「アヅミ野は広いからな。抜けるのに1日かかる。 そこまでは、割合に歩きやすいんだ。 その先に湖がある。二つ続けてあるんだ…
河原での饗宴。 ソマユ 「もう光らないね。やっぱりあの時だけなのかな・・・」 シロクンヌ 「そうだな・・・」 イナ 「光るって聞いてたけど、もうビックリ! あんなに光るなんて。 やっぱりハニサはヒト神ね。」 ヤッホ 「今までで一番光ったよな。でもあ…
飛び石付近。続き。 シロクンヌ 「ああ、ありがとう。おお、箱も立派だなあ。曲げ木か?」 クマジイ 「ほうじゃ。フタも良かろう。 枌板(へぎいた)を曲げて筒にして、桜の皮でとめて固定した。 わしが考えた作り方じゃぞ。」 シロクンヌ 「うん、これはいい…
朝の広場。 シロイブキ 「おはよう。クンヌは昨夜、大ムロヤに来なかったんだな。」 シロクンヌ 「ああ、ハニサのムロヤで火棚を作っていたんだ。」 マシベ 「みんな集まって賑やかでしたぞ。」 サチ 「父さん、シロイブキが、これくれた。凄く丈夫だよ。」 …
翌日の夕刻。祈りの丘。サルスベリの近く。 ササヒコ、ムマヂカリ、ハギ、シロクンヌ、テイトンポ、イナ、シロイブキ、マシベの顔が見える。 シロクンヌ 「あそこに見える小山がそうだな。」 シロイブキ 「そうだ。あの向こうが洞窟だな。おれはあそこに小屋…
夕食の広場。 ササヒコ 「そうか。それでシロイブキはどこでボウボウを吹いたのだろうな?」 シロクンヌ 「それはまだ分からん。明日はここに来るから、作戦も進展しそうだ。」 ヤッホ 「アニキの兄弟はやっぱり凄いんだね。」 ヤシム 「私、畑にいたけど聞…