予備
1
森の中を進むと、樹の枝に布が結ばれていた。
2
近くに落とし穴がある印だ。
3
シロクンヌはヤスの柄で足元の落ち葉を払いながら、前に進んだ。
4
ヤスとは、魚を突いて獲るための道具だ。
5
シロクンヌは28歳。
6
大きな荷物を背負って、片手にも大きな袋を持っている。
7
このずっと先、森の終わりには、崖が切り立っている。
8
その崖は、たやすく登ることが出来る。
9
登り切れば、そこは尾根だ。景色が広がる。
10
彼方の森の向こうに丘がある。
11
丘の上に旗が見える。 丘の上に変更
12
目を凝らすと、上から赤、黒、赤。ウルシ村だ。
ここは「ウルシ村だ。」と分けてあったが、この様にまとめる。
13
尾根に立ち、広がった景色を見ながら、
14
シロクンヌは⦅予測⦆が当たっていたことに満足した。
15
森を読む。山を読む。地を読む。
16
それは常に心掛けている事だ。
17
旗の向こうには高大な山々があり、夕陽に染まり始めている。
18
水の匂いがする。この下に沢があるのだな。
セリフ変更。男の声で。みずのにおいがする。このしたにさわがあるのだな。
19
シロクンヌは、さらに歩を進めるのだった。
20
今からおよそ5000年前。
21
縄文時代。
22
中部高地。
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飛び石の橋を渡り、坂を登れば村に出る。 文言変更
25
向こう岸は洗濯場になっていて、女が一人、何かを洗っている。
━━━━━━ ここまでね ━━━━━━
以下は試作の中の試作です。
26
おーい。渡っていいかー。
27
いいわよー。
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シロクンヌは、軽快に橋を渡った。
29
わざわざ断らなくてもよかったのよ。
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そうは思ったが、いきなりでは驚かれるかなと思ったんだ。
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そうね。今みたいな速さで渡ってこられたら、ビックリしたでしょうね。
32
凄い荷物。旅の方?
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旅人(タビンド)のシロクンヌと言う者だ。
34
この上は、ウルシ村だろう?
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そうよ。私はクズハ。坂道を上れば、村の入口よ。
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洗濯物は、全部ムシロじゃないか。
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大変だろう?手伝ってやるよ。
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じゃあ、お願いしようかしら。