縄文GoGo

5000年前の中部高地の物語

旅編第11話~第20話

縄文GoGo旅編 第20話 5日目①

翌早朝。シシガミ村の近く。 ユリサ(22歳・女) 「あ!急降下した!キツネを見つけたのかな?」 タカジョウ 「きっとそうだ。キツネを見つけるのは早いからな(笑)。」 ユリサ 「あそこ、見に行ってみよう!」 ユリサ 「シップウが、キツネを押さえ込んでる…

縄文GoGo旅編 第19話 4日目⑦

シシガミ村の近くの洗濯場。 シロクンヌとタカジョウの二人だけだ。 タカジョウは着替えていて、レンの傷を押さえた服を洗っている。 シロクンヌ 「どうだ?血は落ちそうか?」 タカジョウ 「染みにはなるだろうな。 まあ、レンの血だから、気にならんからい…

縄文GoGo旅編 第18話 4日目⑥

シシガミ村の見張り小屋。 シシガミ村は、高く積まれたシシ垣の上に築かれていた。 村全体が、石垣で囲まれていたのだ。 見張り小屋はその石垣の外にあり、村から少し離れた場所に、 やはり高く積まれたシシ垣に囲まれて建てられていた。 例えて言うなら、離…

縄文GoGo旅編 第17話 4日目⑤

渓流沿い。続き。 レンザ 「レン!しっかりしろ!」 サチ 「レン!死なないで!」 シシヒコ 「レン!死ぬな! 誰か、レンを助けてくれ!」 タカジョウ 「背中の傷は?」 レンザ 「開いてる。くっそう!血が止まらん。」 タカジョウが服を脱いだ。 タカジョウ…

縄文GoGo旅編 第16話 4日目④

渓流沿い。続き。 シシヒコ 「その子らを早く避難させてくれ!」 サタキ 「おれ達が盾になる。」 二人は盾を持ち、槍を構えた。 タカジョウ 「サチ、先に登れ。上からミツを引き上げてくれ。」 サチ 「大きい!イナが射たイノシシの倍以上ある! ミツ、こっ…

縄文GoGo旅編 第15話 4日目③

渓流沿い 続き。 シシヒコ 「おれもサタキと同じで、シシガミ村の生まれではないんだ。 10年前に通り掛かってな。 その時、子種が欲しいと宿を請われた。 で、その女に惚れてしまってな(笑)。」 タカジョウ 「どこかで聞いた話だな(笑)。」 シシヒコ 「だ…

縄文GoGo旅編 第14話 4日目②

山越え。続き。 シロクンヌ 「シシガミ村?何かいわれのある村なのか?」 レンザ 「姉ちゃんから聞いたんだ。姉ちゃんも誰かから聞いたんだと思う。 シシガミ村の近くでは、イノシシ狩りはするなって。」 タカジョウ 「その村が、この近くにあるのか?」 レ…

縄文GoGo旅編 第13話 4日目①

翌朝の野営地。 タカジョウ 「確かこの樹だったよな?そうだ、ここに爪痕がある。」 サチ 「レンは、あの枝まで跳んでいたよ。 あの枝の近くで、飛んでるムササビを捕ったんだもん。」 ミツ 「走って来て、幹のここに爪を立てて、あそこまで跳んだんだ。 こ…

縄文GoGo旅編 第12話 3日目⑤

野営地。続き。 シロクンヌ 「用心するとしても、今から吊り寝(ハンモック)に切り替えるのもアレだな。 サチとミツはここでゆっくり寝かせてやりたい。」 タカジョウ 「せっかく作った寝床だからな。 おれとシロクンヌで、交代で寝ずの番だ。 どうせいぶしを…

縄文GoGo旅編 第11話 3日目④

道中の尾根。夕刻前。 眼下にブナの森が広がっている。 シロクンヌ 「水の匂いがする。この下は、沢だな。」 タカジョウ 「あの空に、薄っすらと半月が見える。」 サチ 「今夜は八日月。上弦の月でしょう。」 タカジョウ 「そうだ。陽が沈めば、あの月が南の…