第131話~第140話
夕食の広場。続き。 ナジオ 「湧き水平(わきみずだいら)で新発見! 帰り際だったのだが、何を見つけたと思う?」 シロクンヌ 「見晴らし岩の下の湧き水の場所だな? 湧き水平って名付けた訳だな。」 ヤッホ 「確か、ミズナラの林だと言っていただろう? リス…
夕食の広場。 ヤシム 「タホの作った身代わり人形、傑作だったでしょう?」 ムマヂカリ 「あれは腹を抱えて笑ったぞ。」 ヤッホ 「首が横にずれて付いてたな。」 シロクンヌ 「それで何かをたくらんでいる顔してるだろう? どうやったらあんなに上手にたくら…
曲げ木工房。 テイトンポ 「丁度増築を考えておった。 スッポンが軌道に乗ったらと思っておったが、 この際、踏ん切りをつけてやってしまうか。」 シロクンヌ 「増築すれば、ハニサは冬もここで器作りが出来そうか?」 テイトンポ 「そういう増築をすればい…
ハニサのムロヤ。 ハニサ 「早かったね。ちょうど湯があるから、体を拭いてあげるね。」 シロクンヌ 「サチは?」 ハニサ 「体を拭いてたら眠そうだったから、すぐに送って行ったよ。 サチね、右の手のひら、小っちゃい手なのに、タコになってるの。 カブテ…
夜の広場。 焚火のそばには、シロクンヌ、ハニサ、トモ、マシベが御座に座っている。 近くでサチがカブテの練習をしているが、他にひと気は無い。 トモ 「まずはクンヌ、おめでとうございます。」 マシベ 「シロのイエからアマカミが出るのは、ヲウミのミヤ…
夕食の広場。 ササヒコ 「みんな聞いてくれ。重大な話だ。 ミヤコから来たシロクンヌの客人カヤは、アマカミの遣いであった。 アマカミの御意志をシロクンヌに伝達しに来たのだ。 アマカミの御意志で、次のアマカミは、シロクンヌと決まった。 静かにしてく…
祈りの丘。サルスベリの樹の近く。続き。 ササヒコ 「なるほど! そういう事か。 一ヶ所に固まって何百人も住めるようにするのは無理でも、小さな丘ならたくさんある。 ここから半日くらいの距離で、村が作れそうな丘はいくつかあるな。 雨の後に穴を掘って…
朝の広場。 サチ 「おはよう。お姉ちゃん、なんだか嬉しそうだね。」 ハニサ 「シロクンヌがね、一緒に暮らしてくれるって!」 サチ 「ほんと! 良かったね!」 タカジョウ 「シロクンヌ、おれは妹の引っ越しの付き添いで、 今から黒切りの里に向かわねばな…
大ムロヤ。 タカジョウ 「どうしたんだ、アコ?」 アコ 「テイトンポに追い出された。」 ナジオ 「アコはタカジョウを待ってたんだ。 二人で散歩でもしてくればいい。」 マシベ 「あのテイトンポが女と暮らしておるとはビックリだよ。 それも二人の美人とだ…
ハニサのムロヤ。 カヤ 「ほう。何とも妖しくも美しいムロヤだ。」 サチ 「あの木、ああするんだね。 お昼に見た時は、何か分からなかった。」 タカジョウ 「なるほど。ムロヤで見るハニサは、他で見るハニサとは雰囲気が違うのだな。」 ハニサ 「ヌリホツマ…