縄文GoGo

5000年前の中部高地の物語

第131話~第140話

第140話 21日目③

夕食の広場。続き。 ナジオ 「湧き水平(わきみずだいら)で新発見! 帰り際だったのだが、何を見つけたと思う?」 シロクンヌ 「見晴らし岩の下の湧き水の場所だな? 湧き水平って名付けた訳だな。」 ヤッホ 「確か、ミズナラの林だと言っていただろう? リス…

第139話 21日目②

夕食の広場。 ヤシム 「タホの作った身代わり人形、傑作だったでしょう?」 ムマヂカリ 「あれは腹を抱えて笑ったぞ。」 ヤッホ 「首が横にずれて付いてたな。」 シロクンヌ 「それで何かをたくらんでいる顔してるだろう? どうやったらあんなに上手にたくら…

第138話 21日目①

曲げ木工房。 テイトンポ 「丁度増築を考えておった。 スッポンが軌道に乗ったらと思っておったが、 この際、踏ん切りをつけてやってしまうか。」 シロクンヌ 「増築すれば、ハニサは冬もここで器作りが出来そうか?」 テイトンポ 「そういう増築をすればい…

第137話 20日目⑤

ハニサのムロヤ。 ハニサ 「早かったね。ちょうど湯があるから、体を拭いてあげるね。」 シロクンヌ 「サチは?」 ハニサ 「体を拭いてたら眠そうだったから、すぐに送って行ったよ。 サチね、右の手のひら、小っちゃい手なのに、タコになってるの。 カブテ…

第136話 20日目④

夜の広場。 焚火のそばには、シロクンヌ、ハニサ、トモ、マシベが御座に座っている。 近くでサチがカブテの練習をしているが、他にひと気は無い。 トモ 「まずはクンヌ、おめでとうございます。」 マシベ 「シロのイエからアマカミが出るのは、ヲウミのミヤ…

第135話 20日目③

夕食の広場。 ササヒコ 「みんな聞いてくれ。重大な話だ。 ミヤコから来たシロクンヌの客人カヤは、アマカミの遣いであった。 アマカミの御意志をシロクンヌに伝達しに来たのだ。 アマカミの御意志で、次のアマカミは、シロクンヌと決まった。 静かにしてく…

第134話 20日目②

祈りの丘。サルスベリの樹の近く。続き。 ササヒコ 「なるほど! そういう事か。 一ヶ所に固まって何百人も住めるようにするのは無理でも、小さな丘ならたくさんある。 ここから半日くらいの距離で、村が作れそうな丘はいくつかあるな。 雨の後に穴を掘って…

第133話 20日目① 

朝の広場。 サチ 「おはよう。お姉ちゃん、なんだか嬉しそうだね。」 ハニサ 「シロクンヌがね、一緒に暮らしてくれるって!」 サチ 「ほんと! 良かったね!」 タカジョウ 「シロクンヌ、おれは妹の引っ越しの付き添いで、 今から黒切りの里に向かわねばな…

第132話 19日目⑥

大ムロヤ。 タカジョウ 「どうしたんだ、アコ?」 アコ 「テイトンポに追い出された。」 ナジオ 「アコはタカジョウを待ってたんだ。 二人で散歩でもしてくればいい。」 マシベ 「あのテイトンポが女と暮らしておるとはビックリだよ。 それも二人の美人とだ…

第131話 19日目⑤

ハニサのムロヤ。 カヤ 「ほう。何とも妖しくも美しいムロヤだ。」 サチ 「あの木、ああするんだね。 お昼に見た時は、何か分からなかった。」 タカジョウ 「なるほど。ムロヤで見るハニサは、他で見るハニサとは雰囲気が違うのだな。」 ハニサ 「ヌリホツマ…